黒猫にkiss
―――…
「礼央ー、おっはよー」
「おはよー」
朝になると騒がしいほど忙しい日が始まる
中学3年は勉強でただでさえ忙しいのに。
バタバタとするのは入学した頃から変わっていない。
「あぁ!礼央!!昨日なんでメール返してくれなかったのー!」
「え、あ、ごめん」
…まったく気づかなかった。
携帯の存在をふと思い出す。
前で頬をぷくっと膨らませているのはいわゆる"イツメン"の一人のあげは
くるくるの巻き髪を連想させる長いくせっ毛に濃いピンクに染まった天然の頬が可愛らしい女の子だ
声も独特の可愛さを持っている
イツメンの中で唯一同じクラスの女の子だ
そういえば昨日は携帯チェックするのを忘れていた。
基本的携帯は放置主義の自分
彼女がメールをくれた時に何をしていたかなんて言えない。
ふと思い出せばカシャッと音が出そうなフラッシュバックにくらりとする
赤い、黒と白の光の眩しさ。
「も~しっかり~」
「はいはい」
「やぁー礼央はテキトーなんだからっ」
「そんなほっぺ膨らましていたらブサイクになるよ?ほっぺの皮膚伸びて」
「どーせブスですよー!」
すねてしまったがこうなったあげはも可愛い。
ケラケラと笑うとキッと睨まれた