ペテンな彼氏
 俺はそっと後ろを振り向く。

 そこには、制服をきたまま寝てた弓亜が、ドアからちょっと顔を覗かせていた。


 「あ、あぁ…起こしちまったんだな、…悪ぃ」

 「謝らないでよ。ここに出てきたのは私の勝手なんだから」

 弓亜はそういうと申し訳なさそうに首を竦める。


 こいつは会った時もそうだった。

 変な礼儀なんだ。
< 115 / 180 >

この作品をシェア

pagetop