月下の幻 太陽の偽り (仮)
ただ分かる事と言えば、夢の中で強気ないつもの台詞を言う人物、そして何かに逃げていた人物は「アリン」と呼ばれていたと言う事。

それだけだ。

台所に着いた私はなみなみとコップに注いだ水をイッキ飲みして荒い息を吐きながら自分を落ち着けた。

子供の頃と何も変わらない。

あの時もキャラ物の小さなプラスチックコップに何かを注いではイッキ飲みしていた。

正直理由なんて分からない。

ただ、心の中が妙にざわついて何かをしていないと落ち着いていられなかった。

そして一番手っ取り早いのがこれだった。

緑の半透明のコップを流しに置いて大きなため息をついた。

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