月下の幻 太陽の偽り (仮)
「そこで私は思ったんだけどね、もしかしたらあの幽霊みたいなのはきっと明治初期の頃にあの教会で亡くなった外国人神父の幽霊だって思ったわけ。」

それから10分程のトークが続き、瑞穂がそう切り出した。

その言葉を聞き取った時、私は無意識に箸が止まった。

明治時代…

不意に出たその言葉に反応してしまった。

「なんで明治時代なの?」

私は気になって、瑞穂に聞いてみた。

「ん?あぁそうか、歩美はあの教会の事知らないよね。」

瑞穂はそう言ってからまたマシンガントークが始まった。

さっきまでと違うのは、私がちゃんとした聞き手になっていると言う事だ。

< 86 / 127 >

この作品をシェア

pagetop