追憶の詩 -浮世抄華-


やはり、顔色は良くない。




最近、土方さんはやらなくてはいけない仕事が多いらしく、毎日のように徹夜をしている。




そのせいか、彼の目の下には黒い隈が出来ていた。




「何だ?」




じっと見ていると、彼は筆を止め、怪訝そうに私を見た。




「い、いえ…、何でもありません」




私がそう答えると、土方さんは再び筆を走らせた。




邪魔する訳には行かず、私は彼に一礼し、部屋を出た。






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