光へ
〜真実そして光〜
 翌日、健一くんはいつもどうり迎えに来た。

すぐに謝られたが
別に健一くんが悪い訳ではない。

私が謝らなければならないのに
謝る言葉が出てこない。

(私の悪いところ…治ってない。)



 次に健一くんが切り出した話は送迎の事。

イタズラもされなくなった事だし
明日からは送迎しないと言われた。

私は嫌がる事なく
今までの礼をして了解した。

たぶん健一くんと連絡を取る事は
これで最後だろう。

賢と何かあっても
健一くんには関係ない事だし。

もう用事はない。
良くしてもらって
そう思うのはヒドイ事だけど。


なんか、もう関わらない方がいい気がしていたから。





   〜土曜日〜
 昼、賢とは前よりも
ごく普通に会う事ができた。

話も弾み時間が経つのが早く感じる程。

カラオケ、プリクラ、展望台。

賢は今日の朝まで仕事があり
寝ないで来てくれたらしい。

とても眠たそうにしている。

かといって、ウチに入れる訳にもいかない。



賢一:『ホテル行かない?
あっ!一切、何もしないから!』

(ホテル…)
ラブホテルの事だ。

中学生の私は、もちろん行った事が有るはずもない。

何をする所かぐらい解るが
賢が寝るだけだと言っている。

信じてみようと思い、断りはしなかった。





   〜入室〜
 2時間の休憩で寝るだけだと言っていた賢は
本当に眠たかったのか
私に触れる事なく眠りに入った。

私はただテレビを見たり暇を潰していた。


ふと思い出す…
健一くんが言っていた事を。

(右腕…。)


そおっと賢に近付き
起きていないか小さく名前を呼んでみる。

反応はない。

恐る恐る袖をめくってみると……



!!!
傷というのは…
入れ墨の事だったみたいだ。

その時!!!


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