初恋が終わる頃に





「い、いえ。悲しくなんてないです…ただ、少しだけ心が痛かっただけです」



「それを悲しいって言うんじゃねーの?」



「…違います」



彼の言葉はその通りだと思った。



あたしはただ、言い訳をして自分自身に逃げ出している。



だけどそんな事、知ったところで何も始まらない。



季節なんてなかったらいいのに。



暑さや寒さ、気温の状況でも感情が左右される事がある。



冬は嫌いだ。



何だか、心まで寒く冷えて凍えてしまう。



感情も季節も恋愛も、全部消えちゃえばいいのに。



「いつから公園にいたんですか?」



ギュッとカフェオレの缶を握りしめて、勇気を出して問いかけてみた。



どうか別れの修羅場を見てませんように…





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