初恋が終わる頃に





朝になれば、ジリジリといつもと同じ目覚まし時計が鳴り響く。



眠い目をこすりながらも目覚ましを切って、起き上がり学校へ行く準備をする。



もうすぐ高校2年が終わる。



春になれば3年生になって、あっという間に卒業だ。



進路も特に決めていないあたしは、よく担任に呼び出しをされる。



今日も同じく…放課後担任に職員室へ呼び出された。



「失礼しまーす」



コーヒーのほろ苦い香りと、充満したタバコの匂いが鼻につく。



職員室の奥で若い男の担任が手招きをしているのに気づくと、そそくさと足を踏み入れる。



「ちゃんと来たか。いつもは逃げるのに」



「何となくです」



「って事は、ちゃんと進路決めたのか?」





< 34 / 81 >

この作品をシェア

pagetop