二人の壁は
屋上に着くと…
「芯莉…誰もいないね」
「その方が良くない?」
「うんッ!やっぱり、天気良くて気持ち良いね」
「そうだね…食べよ?」
「はぁい」
あたし達は給水塔の下の壁に寄りかかって座る
「いただきます」
「いただきます…ねぇ麗?」
あたしはメロンパンの袋を開けて口に運ぶ
「なに?」
食べながら返事をする
「矢田の事さぁ、好きじゃん?」
「……ッ」
あたしはメロンパンを塊のまま飲みこんじゃった
急いでリンゴジュースのフタをあけて飲む
「大丈夫!?」
あたしの背中を撫でてくれる芯莉
「大…丈夫だよ」
「本当…バカだね」
呆れたように言う
「芯莉が変な事言うからだよ!」
まぁ…葵の事は好きだけど…
「麗が葵の事好きなのは前から知ってるし」
「何の前触れもなく言うから…」
ビックリしたんだもん…
「麗さ、モタモタしてたら他の女に取られるよ?いいの?」
いいのって…
「良くないよ…でも、告白してフラれたら…もう一緒にいられない」
それは嫌だ…
「矢田に彼女が出来ても一緒にいられなくなるよ」
「うっ…」
それは…そうだけど
「それに幼なじみなんて所詮は中学、高校までだよ…一緒にいれるのは」
「………」
でも…