お化けと探偵
無花果の怪
夜の墓場で肝試しというくだらないことをした覚えはないだろうか。もしかしたらあなたはそのとき恐怖を感じたかもしれないし、もしかしたら涙でも流したかもしれない。しかし、私には全くその感情を理解することはできなかったし、今も理解することはできない。



後学のために、怖いと思う理由を考えてみよう。お化けがいるかもしれない、恐らくこれが恐怖の出発点であることに間違い無さそうだ。しかし、やはり私にとっては恐怖の理由にはならなかった。なぜなら、幽霊というものを実際みたことがなく信じようがなかったからだ。

そして、もうひとつ、例えいたとしても人間には何一つ害がない。これが今感じる、恐怖を感じない理由だ。

時に、知人にこのような考え方が冷めてるなど、超現実的など、揶揄されることがある。それを気にするという訳ではないが、少し訂正はさせてほしい。私は冷静で現実的だけなのであると。超現実的という日本語はおかしい。現実的という言葉を超えるというとになるからである。現実的を超えてしまってはもはや現実的ではないと思われる。よって私は現実的であり、超現実的ではないと言うことがわかるだろう。



そんな話はさておき、今は幽霊を信じるようになったということが有識者のあなたはお気づきになったことだろう。


そう、今は幽霊を信じている。いや、信じざる得ないといったほうが適切かもしれない。それは目の前に実物が存在するだけで理論的にどう存在するかわからないのだから仕方なく受け入れているのほうが適切だと思う。思うという曖昧な表現になってしまうのもご勘弁いただきたい。私と奇妙な存在との物語はここから始まる。驚きや不思議、怒りや悲しみ、その他多くの感情を抱くかも知れませんが、ご清聴のほどよろしくお願いいたします。
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