天神学園高等部の奇怪な面々ⅩⅧ
溝出の言いかけた通り。

寧々は人外…日本の妖怪でも高位に属する『鬼』である。

西にも東にも属さない京の鬼の末裔。

普段から帽子を被り、屋内外を問わず帽子を取らないのは、その証拠ともなる角を隠す為であった。

しかし。

「へぇ、寧々ちん鬼なんだぁ?」

見かけによらず鋭い雛菊、溝出の発言から寧々の正体を見破る。

「っ!」

一瞬怯えたように帽子を押さえる寧々だが。

「そんな隠さなくてもいいよぉ」

雛菊はニパッと笑った。

「私の弟なんてスペシャルバカだし、後輩の女の子なんて、何とけしからん乳なんだよぉ?それに比べたら鬼なんて…」

「雛菊ちゃん…それフォローになってないです」

思わずツッコむ色白男子。

その言葉に。

「ふふふっ…」

タロタロを抱いて、寧々は笑った。

「聞いてはいましたが、天神学園…変わった生徒ばかりです」

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