はらり、ひとひら。
朝食を食べ終え、洗い物やっちゃおう、と蛇口をひねると珍しくキッチンに海斗が立つ。
「おれも手伝おうか?」
「…なーに、珍しい」
普段からは考え付かないような行動に思わず吹き出す。いつもなら頼まれても嫌がる癖に、どういう風の吹き回しだろう。海斗の頭をポンポン叩くと無言で俯いた。
「あのさ・・・姉ちゃん、おれ─」
「ん?」
「ううん、やっぱなんでもない」
「なにそれ、変な海斗」
「・・・・・・そう?」
じゃ、部屋に戻る。と海斗は
言い残し、リビングから消えた。