はらり、ひとひら。


「ないっ、ない…ない!?」


うそだ、落ち着け。でも急げ、と手を動かした。ああ、雪崩が!机に築かれた雪山が…!


「もう、だから掃除しなさいって言ったでしょ!早くしなさい!」


「新学期早々遅刻ってやばくない?一応受験生なんだからさ、もっとしっかりしなよ」


家族は全く優しくないけど、今回ばかりは私が悪い。落ち込みながらも、教科書の山をかき分けると目当てのものが見つかった。鞄に押し込んで階段を駆け下りる。


「まったく、成長しとらんなお前は」

「う、うるさいな。今日帰ったら綺麗に掃除するもん!─行って来ます!」


高校生になって、3度目の春。私は、高校3年生になった。


一見変わらないことだらけだけど、その中で私は少しだけ成長できた気がする。思い起こせば、いっぱいいろいろなことあったなあ…


巫女としてはまだ半人前なのは自覚済みだし、師匠にもそこを突かれた。わからないことだらけだわ失敗もするわ…だけどきっと、それは反対に取れば伸びしろがまだあるということ。




< 665 / 1,020 >

この作品をシェア

pagetop