はらり、ひとひら。
弾丸のように飛んできた人形を竹刀で薙ぎ払う。…あっぶな。
「主様、話は後でに致しましょう。今はこの小賢しい人形を」
それもそうだな。
だがもし仮にこの人形を動かしているのが人間だったら…十中八九同一人物だろう。俺はそいつにはめられたってことだ。
全く恐ろしいことしてくれる。
竹刀を握り直し、がたがた不気味な音で動き回る傀儡(かいらい)の頭を叩く。ちなみにこの竹刀は雪路の妖力が練り込んであるらしく、普通の竹刀で叩くより全然効果があるそうだ。
嫌な音を立てて人形の頭がもげる。が、止まらない。首なしでもなお、何かを求めるみたいにして動く姿はさながら亡霊─だ。
「きりがないな。…多分、どっかに操ってる親玉みたいなのがいるはず」
「はい、おそらく。…ああもう!蛟がいればすぐに清められたのに。肝心な時までふらふらふらふら…」
「ははっ、まあ蛟も忙しいんじゃねえ?」
今夜も蛟への雪路のお説教がすごそうだ、と思いながら、もう一度息を吸って姿勢を正した。
椎名、神崎のように『そういう血筋』でないただ見えるだけの自分。
こういう時こそ自分の弱さにほとほと参るが、守ってもらえるなら守ってもらう。そして俺も、護るんだ。
大事な式神と生徒を。