[完]大人の恋の始め方




なんて思いながら、自分の番を待っていると、後ろからTシャツを掴まれる。



「ん?」と振り返ると、ニッコリめ笑う彼がいた。



「なっなんで?!」


「俺、入学生なんだよ。まさか同じ高校とはね」



笑顔を崩さない彼に、あたしはただ驚くばかり。



………なんで、計くんがいるの~!!??



「あれ?!この間の!!」



友美がビックリしながら、あたしの隣に来る。



「その節は、どーも」


「えっ!?入学生だったの?!てっきりタメかと…」



友美は、ジロジロと計くんを見る。



たしかに、大人びた外見をしている。



「年下っす♪ビックリしたよ。友杏がかわいいって聞いて、顔見たらあんたら何だもん」



あんたらという言葉に過剰反応する友美。



「だれがあんたよ!!友は計より年上なんだから慕いなさいよ!」


…コラコラ。
むしろ年下に見えるぞ?


プリプリ怒る友美を見て、計くんは面白そうに笑う。



「ちょっと友杏!!練習しなさいっ」


っと。
現役ちゃんが怒っちゃった。



「じゃあ計くん、またね!」


あたしと友美が立ち去ろうとすると、「っあ!」と声をだす彼。



何?という意味を込めて、あたしは首を傾げる。


「俺もBクラスなんで、お互い頑張ろ!」


笑顔でそれだけ言うと、彼は立ち去った。



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