ほっと一息する時に【短編集】
「お姉ちゃん、僕…絶対治すから…治るからそんな顔しないで?
ゴホゴホッ…僕は今は…ゴホッ…こんなだけど…大丈夫だから…」
私はこんな弟のために何かしてやれることは出来ないのだろうか?
「……お姉ちゃん…桜の花びら……いっぱい取ってきてくれない?」
弟は苦しいはずなのに――顔に力を入れて微笑みながら言ったのだった。
「分かった!いっぱい取ってくるね!」
この時の私はバカだったんだ。