さらば、ヒャッハー


昨夜の一件だけでも藤馬がこんな、“まるで自分たちを助ける立ち位置”に来るとまで思わなかったのだ。


それだけ、双子にとっては性悪な男で、この性悪が『誰かを助ける理由』など想像にもしてなかった。


藤馬とて二人の反応はもっともだと、自身の性悪さ――我の為ぶりは自覚しているし、自覚している時点で治そうとは思わない。


「久々に嫌々ながらでもよぅ、お楽しみあっちゃ、その程度、目を瞑れんだよ。どうせこんなの“取るに足らないこと”だしぃ。こんなことで、奥さまとデートできんならマジプラス。お釣りで一万円来る並みにプラスだわ」


「お釣りで一万円だなんてありえませんよ」


言葉のあやとしては悪いも、例えとしては藤馬のテンションが“この上なく高い”ことは分かった。


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