甘い満月~Sweet Full Moon~
うん、と言って南と電話を切ったものの、結局芯くんからのキャッチは取ることができなかった。

「どうしたん? 俺なんかまずい事した?」

さっき私が岡田の名前を出した時の事を気にしているのだろう。

「ううん。大丈夫。南が、私と岡田保健室って言っておいてくれるって!」

「お、南いい奴~」

携帯をしまおうとした瞬間、また震える携帯。

芯くんからのメールだ。

リカちゃん。どこ? 今から会いたい。次の授業さぼるから、会って話したい。



今はできないよ。だって、芯くんの顔見たら、もっともっと涙が出てきちゃう。


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