初恋のキミへ。

死海


「やったー!!!」
今日は、テスト返却と終業式だけ。
テストの結果、赤点が一つもなく、喜びのあまり声が出てしまった。
これからは待ちに待った夏休み。


「赤点ゼロって美桜にしてはすごいじゃん!!」
皐月の白い夏服姿が、目にまぶしい。

「私だってやればできるんだ!!皐月はどうだったの?」

「俺は学年3番。」
しれっとした顔で言う。

「3番!?」

「そ。ちなみに、1位が裕也で2位が葵、で4位が伊吹。」

皐月は、私の机の上に座って足を組む。

「すごすぎ…」

ため息交じりに答える。

「んで伊吹が行方不明。」

「なんで!?」

「俺に負けたのが悔しんじゃね?」

探してくる、と皐月に言い残して色んな場所を回った。

だけど、伊吹はどこにも見当たらない。

みんなが悩みがあると良く行くところ。

そして、私が好きなところ。

そこをまだ探してなかった。


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