私の恋愛説明書







その後私たちはいつものように別れ、家に帰っていった。

『大丈夫!』

『同じようなことあったし!』

さっきの薫の言葉が蘇る。

こんな思いしてるの…私だけじゃないんだね。

中一になって実感したこの思いが、薫にとっては今更って感じだったのかもしれない。
もうこの思いを知っている薫が、すごく大きな存在に見えてくる。

…誰でも、知る思いなんだね。

辛い…けれど、この思いが通じたら、どれだけ幸せなのか。

対象的なこの思いを知って、分かった気がするよ。


ねぇ薫。

私…未熟者だね。
もっと成長するね。

そして辰馬…。

あなたにこの思いは届かなかったけれど
いつか届く人と巡りあって
幸せになるよ。

あなたに出会えていろんな経験が出来ただけで
一歩、成長したような感じがする。


恋愛って、難しい…。
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