“運命の赤い糸”
俺は何度も頭を下げた。

俺のせいじゃないって言ってくれてるけど、やっぱり俺のせいだよ。

だから頭を下げることしかできなかった。


そんな時、ナオの母親がサクラに気付いた。


「ナオの‥お友達?」

「あたしは‥‥」


言いにくそうに口を固く閉ざすサクラ。


「もしかして、ヒロキ君の‥‥」


父親がそう言うと、サクラは顔を歪めたまま、その場から走り去っていった。


「ヒロキ君‥」


ナオの母親は心配そうに俺に声をかけた。

俺は一度頷いてから言った。


「俺の‥元カノです」

「じゃあ‥あの子がナオに嫌がらせしてた子なのね?」


俺は戸惑いながらも頷いた。

ナオの両親は‥サクラを恨むよな?


ナオの父親は、サクラの走り去った方をずっと見つめていた。

そして、口を開いた。


「ヒロキ君」




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