珈琲に誘われて
坂道と獲物
休みの日には必ず買い物。
運転出来れば車に乗るのだが生憎のペーパードライバー。
お陰で大量の荷物を持てる腕を手にいれた。
両手に荷物を持って坂を上り、メニューを考えていたら急に左手だけ軽くなった。
「何で…あっ…」
左手に握られていたのはさっきまで野菜や果物が入っていたビニール袋の取っ手部分だけ。
下を見れば中身だった物達が落ちている。
中には坂の下へと脱走をしている物までも。
「嘘でしよ!!??」
慌てて足元の物を拾い逃げていく物達を追いかける
焦る気持ちと「おむすびころりんのお爺さん」の気分を感じながら走った
< 1 / 5 >