悪魔の熱情リブレット

 ある日、老婆とその一行はシャッテンブルクの町に訪れた。

通常通りに芸を披露していく仲間達。

そんな彼らを少し離れたところで見守る老婆。

その時、彼女の中に悪魔はやって来た。

契約を交わした悪魔は、いつでも契約者の意識に潜り込むことができる。

悪魔は老婆に言った。

「手っ取り早くお前を、世に名を残す占い師にしてやろう」

悪魔ルシファーは彼女の体を乗っ取り、恐るべき計画を実行した。


「お前さんお前さん!」

運悪く悪魔に目をつけられた少女。

ルシファーはその幼い少女を利用して町に不安の種をばらまいた。

「お前さんは悪魔の子だよ」

老婆の皮を被った悪魔が囁く。

「人に死をもたらすのさ」

偽りは彼の十八番。

「この町にいる奴らは全員死ぬんだ!この子のせいで!」

悪魔は内なる笑い声を外側にも吐き出した。

「この子がお前達全員を殺す~!!」


まだこの時点では爆弾に火を近づけたに過ぎない。

点火したのは彼が『悪魔の書』をティアナの母親に見せた時だった。


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