悪魔の熱情リブレット

「キミがティアナちゃんの生まれ変わり~?」

「きゃあああ!!」

突然後ろから聞こえた声に思わず悲鳴を上げる。

「あれ~?そんなにびっくりした~?」

振り返ると金髪の男の子が立っていた。

この前の夜の人物とは声が違う。

誰だろうと考える前にアウレリアはあるものに目を奪われた。

(羽が!?背中で羽がパタパタしてる!?)

男の子の可愛く動く白い翼が気になる。

アウレリアがそれを凝視していると、別の声が入ってきた。

「招待状はお持ちですか?」

いつの間に側にいたのか、紫色が印象的な美男が耳元で囁いた。

「招待状?」

「ああ、持ってますね。これですよ」

「これ」とはどうやらシャッテンブルクの地図のことらしい。

「ヴォラク、彼女をあの家に案内しましょう」

「サリエルやけにでしゃばるね~。嬉しいの?」

「うるさいですよ。お黙りなさい」

アウレリアの横でそんな会話をする二人。

彼女は廃墟にいた彼らを怪しく思ったものの、地図のことを知っていたためついていくことにした。


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