神様がくれた夏
「先生! 夏目涼の自宅の住所を教えてくれませんか…?!」
夏目涼に会いたい。
まずは先輩よりも先に夏目涼に会うしかないと思った。
けれど先生は首を横に振る。
「教えられる訳ないだろう」
そう言うと先生は邪魔者でも扱うように、あたしを職員室から追い出した。
バタンと閉まった職員室。
追い出されてしまったからにはどうしようもない。
「…!」
歯噛みする。
もどかしいけれど、まず住所を聞いて会いに行かなければ何も始まらない。