鈴屋のひとひら





青年は暖炉に火をおこしました。



薪が無かったので、秋の木の葉をくべました。

夏の貝殻は火打ち石の代わりになりました。




 それから青年は、温かい飲み物をつくりました。


水しかありませんでしたが、春の桜の花びらを浮かべて香りをつけました。






 全部、いつもやって来るあの猫のためです。






「ミルクは無いけれど、許しておくれ」
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