窓際のブラウニー



眉間に寄せたしわがなんだか切なく見えた。


悲しいような

寂しいような

そんな顔をしていた。




彫りの深い顔。


高い鼻。


濃いひげ。




低い声は今日はもっと低い。





「真千子さんの幸せを見守りたい…そう思っているのに…奪いたいとも思ってしまう。」



田所さんは私が求めていたことを告げてくれた。




待っていた。



その言葉を…




奪って欲しかった。



奪って、連れ去って

ここから抜け出したかった。




田所さんを愛してる。




「奪ってください…」




震える私の声は


あなたに届きましたか?




ちょうどお客さんが入ってきたので


カランコロンという音で


私の声はあなたに届いていないかも知れない。




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