窓際のブラウニー



無意識に田所さんに話しかけている生活。



田所さんと出逢って、孤独というトンネルから抜け出すことができた。



本当は孤独なままなのに、なぜか心の中には温かい笑顔があった。




何度かあの喫茶店の前を通った。



中に入ろうかと思ったが、勇気がなかった。




マスターは全てを知っている。


私はもうこの店には入ることができない。





カランコロン…




前を通った時に、ちょうどお客さんが出てきて、懐かしい音を聞いた。




それだけで、私の胸は高鳴り、息苦しくなった。




その場を離れようとした時、呼び止められた。



「待ってください!」




その声は聞き覚えのあるマスターの声。






< 132 / 180 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop