一度の保証(短編集)
「待って下さい!あの、私はどうして生還できたんでしょうか??
私は、父と私との二人家族で親戚もいなく、その父も、去年他界してしまっていて、生き返れるほど願ってくれる人なんて、私には…」


「中原さんと一緒に海に行っていた方ですよ。
何度も仕事の合間を見つけて訪れてましたよ」


「早苗が?」


「そうです。平田 早苗さんでしたね。今日は、きっとお仕事で顔が出せないんでしょう。
中原さんから、すぐにでも連絡してあげて下さい」


「はい。ありがとうございます」


医師が、扉を開けようとドアの部に手をかけると、外から先に誰かに開けられ、女性の声がし中へ入ってきた。


「わっ、すみません」


「いえ、中原さん目覚めれたところです。良かったですね」


医師は、女性に言うと、部屋を後にした。


女性は、部屋のドアを閉めると、私の側まできた。


「桃華!どうして?」


「里見〜!びっくりしたわよ〜聞いたときは〜!
でも、良かった〜生き返れて」


「桃華こそ、5月に生還できたところじゃない」


「そうよ、でも だから 里見の事聞いて様子を見に来てたのよ」


「前にも?」


「来れる時に何度かよ」

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