また一緒に、1本取ろう。






私と凌の描く未来が違うんじゃないかって、


心のどこかで思ってて、すごく不安で。




気持ちだけじゃダメだって、分かってたのに。


そんなこと、とっくに気づいてたはずなのに。




凌の存在に甘えてばっかりで。


私、考えることから逃げてただけじゃん。




凌はちゃんと私のことを考えてくれてたのに。


八つ当たりして、感情的になって。


何してるんだろ、私。


凌に嫌われても仕方ないじゃん。




「道木先輩は、何があってもゆい先輩のことは嫌いになりませんよ」




どうして私の考えてることって、


みんな分かっちゃうのかな?


なんて、不思議に思っていたとき。


流星くんの大きな手が、私の涙を拭った。




「ゆい先輩、笑って?」




私が笑うと、流星くんも笑った。


でも、少しだけ。


悲しそうに見えたのは、気のせい?






< 334 / 345 >

この作品をシェア

pagetop