DV彼氏

悪夢

日曜日友達と約束しているため彼とは逢わず遊びに行く。

だが、なぜか私は浮かれない・・・

そう、彼のあの言葉が私を締め付けているのだ。

 『いってくれば?その代わり電話したら出ろよ!写メ送れっていったら遅れよ!』

この言葉は本気で言ったのだろうか。本当にかかってくるのか。メールはくるのか。

などと考えているうちに友達との待ち合わせの場所に着いた。

友達はもうすでに待っていたのです。

 「ごめん。待った?」

 「全然♪今さっききたとこぉ!いこっかぁ~」

そう言い二人で自転車をこぎ始める。
たわいもない話をしながらカラオケへ向かう。

友達と話をしている間に彼に言われたことなど忘れてしまっていた。

カラオケに着くと友達は
 「今、彼氏とどう?」

お決まりのパターンだ。

私は笑いながら
 「うん!うまくいってるよぉ♪」

などと話しながらジュースをくみにいく。

そんな楽しく過ごしているときに・・ピピッ
ケイタイが鳴る。だがそのときは歌っていて気付かなかった。

 「さや~ケイタイ光ってるよ!」

この一言が私に彼の言葉を思い出させた。

 「ホントだ!」とケイタイを見ると・・・

彼からである。しかもメール5通・・着信10件・・・。
私は怖くなった。
何もこんなに連絡しなくたって。遊んでること知ってるくせに。
自分だって遊びに行ってるはずなのに。
恐怖感と怒りが私の中に芽生えた。

そのとき・・♪♪♪~
彼からの電話。正直出たくなかった。
でも、出ないわけにはいかない。

 「もしもし?ゴメンさっき気付かなかった~」
と明るい口調で言う。

 「はぁ?気付かんわけないだろ!男とおるんか!」

と彼は怒鳴ってきた。

 「はぁ?!カラオケしてるんだから気付かないときだってあるでしょ。
  てか男とおるとか・・そんな信用ないわけ?」

怒りで自分を見失った。ううん。怒りではない・・・悲しみのほうが大きかった。
友達の前で取り乱してしまった。
急に泣きたくなった。

 「友達といるんだからきる。」そういうと私はケイタイを切った。

だが。着信は耐えなかった。
私は電源を切った。
< 17 / 29 >

この作品をシェア

pagetop