吸血ボーイ☆&ガール
そんな彼をしげしげと見つめていると、突然Q二くんが言った
「この席には前は誰が座っていたの?」
「えっ!えっ~と、実は前も転校生が座ってたんだけど…九一くんって言って、一ヶ月前に転校してきて突然また3日前に転校して行っちゃったの。」
「ふ~ん。」
 Q二くんはそう言うとまたじっと前を見た。窓からの光に照らされてさらさらとした髪は金色に輝いて見えた。
 ところで、次の授業は体育だった。5月の光のさす明るい校庭に出ると、気のせいかQ二くんはますます顔色が悪くなったように見えた。加奈子は言った
「あの子、ちょっとかっこいいけど、顔色悪すぎるねー。」
「じゃあ、今日はまずはランニングから!」
 先生の声に、あたし達はいっせいに走り出した。すると、Q二くんはものすごい速さで皆を抜いて行った。ええ~っ、競争じゃないんだけど?と、思っていたら急に倒れてしまった…(^^;)。どういうこと?
「保健委員!保健室に連れて行ってやれ!」
 と、先生に言われたので保健委員のあたしは彼を保健室に連れて行く事になった。
「大丈夫?」
「……。」
 彼は何も言わなかった。保健室に連れて行くと、丁度保健の先生はいなくてあたし達は二人きりになってしまった。え~っと、とりあえずベッドに寝かせて…と。って、思っていたらQ二くんも重かったので、二人でベッドに倒れこむ形になっちゃった!しかもあたしが上!
「きゃっ!ごめん。」
 と、突然彼があたしの首に手を回すと、いきなりひきよせてあたしの首筋にくちづけした。
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