新しい恋のはじめかた



久遠くんは急にあたしの肩に腕を回して、さらにあたしを久遠くんのほうへ引き寄せた。



な、何だろう……。



「来た来た」



久遠くんはすごく楽しそうだし……。



それに、何が来たんだろう…。



「ーー…翔!!お前、花音から離れろ!!」

「いいじゃん。ねー?花音ちゃん?」

「…はぁ…」

「花音も意味わかってないのに返事しなくていいから!!」



久遠くんが来たと言っていたのは利玖のことだったようで、久遠くんと利玖の言い合いが始まった。



「そんな怒るなよ?花音ちゃんに愛憎つかれるぞ?」

「うるせぇな。つか、その手離せよ」

「はいはい。花音ちゃんは大変だねーこんなヤキモチやきの利玖と付き合って」



そう言いながら、久遠くんはあたしの肩から腕を引っ込めた。



「あのっ……」

「んー?どうしたの花音ちゃん」

「あたし、利玖がヤキモチやいてくれて嬉しいから…ヤキモチやく利玖好き…」



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