新しい恋のはじめかた
「ーー…ちょっと待って利玖!!あたし、まだ心の準備が…」
「平気だ。親はまだいねぇから」
「へ?そ、そうなの?」
利玖の言葉にあたしは変な声がでた。
でも…それって2人きりってことだよね…?
「…あぁ。あ、花音、今変なこと考えただろ?」
「かっ、考えてないよ!!」
少しは考えたけどっ……!!
「やらしーな、花音ちゃんは」
「もう!!違うってば!!」
「はいはい」
利玖はあたしの反応を見てすごく笑っていた。
「ーーー…ここだよ。俺んち」
利玖の足が止まった家には、『黒瀬』と表示されていた。
大きい家…それに可愛らしいというか……。
「この家は母さんが主導権握ってるようなもんなんだ。だから、家は全部母さん好みになってんだ」
「そうなんだ…。可愛い家だね」
「そうか?結構恥ずかしいけどな。さ、入れよ」
「お邪魔します…」