にゃあー!とお鳴きなさい。
くて、寒くて、目が覚めた。
身震いして、体を更に丸めた。
……。
─丸めた?って────
可笑しな表現の言葉だなと感じて、体を揺すって笑うと
首もとから“チリリン”と鈴の音がした─────
『いい加減、現実を認めなよ…』
海の声が頭に響く。
『いつまで現実逃避?』
頭が痛い。
『ばかだなぁ…お前…』
柔らかないつもの海の声。
──海…。
「お前が俺の弟分なんて、ムカつくんだよ」
耳元でした海の声に目蓋が勢いよく開いた。
「やっとお目覚めかよ。お・そ・よ・う」
黒猫が目を細め
いやらしく笑っていた。

