続続ナイショなダーリン─絆─final
―――――……



雨の降る日だった。


抗がん剤治療が始まって。

ライトは食事すらできなくなって。

激しい吐き気と闘っていた。


「ライトっ」


あたしはただ黙って背中をさすることしかできない。

辛いんだ、きっと。


「みく。帰れ」


冷たい口調でライトが言った。

あたしは逃げたくなかった。



パリーンッ―


ライトの投げたカップが、割れた。


「……来るな」




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