。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅲ・*・。。*・。
「戒―――……」
「俺を選んでくれたんやろ?」
ほつれた髪を掻き分けるようにして耳をさらすと、確認するようにあたしの耳元で戒がそっと囁いた。
あたしはそっと頷いて、戒の目を見ると、
戒は微笑んであたしの髪を撫でながら、あたしたちは
キスを交わした。
甘い甘い―――…ココナッツの香りで満たされて、とろけるような口付け。
何度も角度を変えて、息継ぎの合間に戒の名前を呼ぶ。
「戒…」
「ん?」
「戒―――」
「ん」
「戒―――、
大好きだよ」
大好き
あたしの目の前には確かに戒が存在して、その存在を確認するかのように―――
「俺も大好き」
戒のあったかい手のひらがあたしの肌をさぐり、そっと胸元に移動していって……
さわさわさわ…
「……戒…」
「…はい、なんでしょう♪」
「せ、倅が……当たってるんですが…」
「そらそーだわ♪好きな女に裸で抱きつかれりゃ、ね☆
や~らかい♪♪」
HA・DA・KA??
「ぎぃゃぁあああああああ!!!!てかどこ触ってやがんだ!」
ドカっ!!
あたしの色気のない叫び声と、戒を殴り飛ばす音が風呂場いっぱいに広がったのは
言うまでもない。