。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅲ・*・。。*・。
結局チェックアウトの時間ぎりぎりまで、朝食を食ったりテレビを観たりで部屋でのんびり過ごした。
「響輔も昨日外泊だってサ。俺とあいつ二人で出かけてくることになってるみてぇ。
マサさんがちょっと疑ってたみたいだな。
ついでに言うとあいつすっげぇ機嫌悪りい。俺がお前と泊まったから」
ケータイを見ながら戒が眉を吊り上げる。
髪を梳かしていたいたあたしは、慌てて戒の隣に座り込んだ。
キョウスケの機嫌は置いといて。
「疑ってるって!どーしよ!ってかキョウスケ、あいつどこ泊まったの??まさかリコんち!?」
「まさか。あいつ…響輔は進藤と遊びに行って、そのままあいつんちに泊まったて」
「進藤…??」
「お前いい加減名前覚えてやれよ。金髪野郎のことだよ」
「…ああ!そっか!いや、あいつらって泊まりにいくような仲!?」
あたしはそれの方に驚きだ。
「分かんないけど、何か最近進藤、響輔に懐いてんだよな~」
戒がつまらなさそうに唇を尖らせる。
「何それ、ヤキモチ?」
あたしが笑うと、
「違げーって。進藤は響輔のために良からぬこと考えてそうだってこと」
あたしのおでこを軽くでこピンで弾くと、戒は益々ムスりとしてそっぽを向いた。
良からぬこと…
も、もしかして……!
『俺が一方的にやったこと(お嬢を抱きしめたこと)だから。お嬢は何もしてないし何も思ってない。そこんとこヨロシク』
以前、キモ金髪野郎にキョウスケと抱き合ってる場面を目撃されたときのキョウスケの台詞を思い出す。
『変なことを吹聴したらぶっ殺す』って言ってたのに……
いや、正確には言ってないけど、そう目が語っていた。
それなのに!
『キモ金髪野郎、お前を脅すようなことしてこなかった…?』
『まさか。そこまで命知らずじゃないですよ。逆に応援されました』
あれって、本気と書いてマジ!?
あたしは戒の飲んでるアイスコーヒーが、キョウスケの機嫌の色に見えてあたしは少しぞっとした。