。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅲ・*・。。*・。
夢中で戒を抱き寄せてたから、戒のひきしまった細い腰に巻きついた腕が今更ながらカっと熱を持つ。
「わ、わり!」
慌てて手を離そうとしたが、その手をやんわりと戒が阻止した。
「朔羅に後ろから抱きつかれるなんて、何か新鮮。今日はいいことあるかも♪」
ぎゅっと腕を引き寄せられて、あたしはぴったりと戒の背中に寄り添う形に。
うわっ!
「ってかお前もっと気をつけろよ。もう少しでタクに紋がバレるとことだったぜ。タンクトップ着るとか、せめて黒っぽいTシャツにしろ。
ここは青龍の中枢だ。虎が紛れ込んでたって分かったら、お前ただじゃ済まされないぜ?」
と忠告するも、
「うん。気ぃつける」
と戒はあたしの意見を気にした様子でもなく、ふわりと笑った。
そのふわふわ戒が可愛くて、思わずぎゅっと戒のTシャツを握ると、
「守ってくれてサンキュ。
風呂、入ってくるわ」
と、戒はぱっと離れた。
「朝だし?これ以上くっついてたら、あらぬところが元気になりそうだぜ」
と鼻の頭を搔いてあたしから目を逸らす戒。
あらぬところが……
わぁ!!
あたしは顔を真っ赤にして、
「“使用中”の札を忘れるなよ!」
とわざとらしく忠告した。