。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅲ・*・。。*・。
げぇ!!
た、タク―――!?
ヤッベぇ!!
あたしは戒の肩をぐいと引っ張ると、強引と呼べる力で戒を引き寄せた。
後ろから戒を抱きしめると、
「お嬢…今朝飯は…」とのんびり顔を出したタクがあたしたちを見てびっくりしたように目を開いている。
戒もあたしの行動に驚いたように身を固まらせた。
「「「………」」」
やっべぇ!!
あたし何してんの!!?これじゃもっとややこしい事態になってるっつうの!
だけどあたしが退くと、戒の紋が。
今タクに見られるわけにゃいかねぇし。ど、どうすれば!?
と考えていると、
「あは♪朔羅さん寝ぼけてるみたいで~。マサさんと間違えてるみたい」
と天使戒がにこっとタクに返している。
「マサさんと?ってかどこをどう見たら間違えるんですかい。あんなクマみてぇな男と、なよっちいメガネを」
とタクが驚いたような、それでも疑わしい目つきであたしたちをじとっと睨んでくる。
「おい!おめぇマサの舎弟だろ!?兄貴をクマみてぇとか言ってんじゃねぇよ!」
「僕はこんな暴君のお嬢さんよりタクさんに抱きつかれたほうがいいんですけど」
と戒がタクにウィンクを投げかけ、
「い、いや!それだけはやめてくれっ!!」
タクは顔を青ざめて慌てて出て行った。
「「ふぅ~~~」」
ってかこんなこと前にもあった?
あ、そだ。キョウスケとだ。
ってかこないだはキョウスケで、今日は戒。あたし、あいつらにとったらどんだけ淫乱女なんだよ!
と自分で突っ込みたくなる。