。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅲ・*・。。*・。



「龍崎くん…おうちがお医者様なの?」


俺の歩調に合わせて小走りになりながら新垣 エリナが聞いてきた。


「いや、病院には何度もお世話になったから…」


兄ちゃんたちとの兄弟喧嘩でな!


「…龍崎くん、体弱いの?」


なんて全然的外れなことを聞いてきた新垣 エリナに俺は思わず笑った。


「んなわけないって。健康状態は少々元気過ぎるぐらい丈夫」


俺が答えると新垣 エリナは安心したように笑った。


だけど


ガサガサッ


遠くで何かの物音がして、その度に新垣 エリナはビクっと肩を揺らす。


本当に怖がりみたいだ。


全然関係ない話をして気を紛らわしてるんだろうな。


「大丈夫だって。鳥か何かだろ?」


安心させるためそう言って笑うと、


「…ごめんね、あたし足手まといで。ゆ…幽霊が怖いとかじゃないの。


前に一度……ストーカーみたいなものに遭って。


それで……」


ストーカー…?


あー、なるほど。そうゆうことね。


そりゃ暗いとこも急に脅かされるのも怖いはずだ。


朔羅ならストーカー野郎も返り討ちにするだろうけど、いかにもか弱そうなこの女に抵抗する術なんてなかったんだろうな。


俺はちょっとだけ歩を緩めた。


「なるべく明るいとこ通って行こう」


廊下の先を指差すと、新垣 エリナは安心したように頷いた。








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