。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅲ・*・。。*・。



俺は新に用意した新品のカードを朔羅に手渡すと、


「ポーカーやってんだよ。お前、親になってカード切って」


強引にカードを押し付け、まだ訝しそうにしている朔羅はカードをシャッフルしようと手を動かせた。


「待て。ヒンズーシャッフルじゃなくて、リフルシャッフルにしろ」


俺が言うと朔羅は目をぱちぱち。


「ヒンズー…?」


「一般的な切り方ですよ。リフルシャッフルはカードを二つに分けて交互に落として差し込むシャッフルです」


響輔が説明をして


「ああ…」朔羅は納得したように言われた通りカードを二つに分ける。


「面倒くせぇな。


てか切り方に違いなんてあんのかよ。これで何が変わるってわけ?」


と朔羅はブツブツ。


訝しそうに眉を潜める朔羅に何も返さず、俺はシャッフルされる様をじっと見つめた。


ハートのA、スペードのA、ハートの2、スペードの2


それらの記号と数字が俺の目の前でひらひらと舞う。


シャッフルし終わったカードを朔羅が三人のプレーヤーに配る。その様がスローモーションのように流れる。


実際はかなりの速さがあるだろうが、一秒一秒の光景を脳に叩きつけるようにカードの行方を凝視していると、


「なぁ、何でポーカーなんてやってんだよ」と朔羅が訝しそうに聞いてきた。


俺はそれにも返さず睨むように朔羅の手元に視線を送っていると、


「なぁ戒ってば」と朔羅が苛立ったように聞いてきたが、


「ちょっとしたテストですので。お気になさらず」と響輔が代わりに答えてくれた。


「戒のヤツ、どうしちまったんだ?」とコソっと響輔に聞いたが、響輔がそれに対して何と答えたのかは分からない。


なるほど。


確かに俺しか使えない技だな。



これだったら勝算は格段と上がる。




いけそうだ。




俺は口の端でにやりと笑った。





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