。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅲ・*・。。*・。

ロイヤルストレートフラッシュ!?



◆ ロイヤルストレートフラッシュ!? ◆


カードを配り終わってあたしは自分の手持ちの札を見た。


ポーカーなんてはじめてやった。大富豪と同じことだろ?


でも


「コール」


「コール」


と続けながらチップをテーブルに放り投げる二人に、


「何の暗号だ?」と意味が分からなくてあたしは一人だけたどたどしい手付きでカードを引き抜く。


しかもチップまで用意してあるし。


本格的だな。お前らその歳で本格的な博打か?


末恐ろしいな。


「お嬢は慣れてないんですか?初々しくて可愛いですね」


と響輔が言ってきて、あたしは目をまばたいて顔を赤くした。


可愛いとか……相変わらずフェミ響輔め。


「初々しくなくても朔羅は可愛い」


可愛い。と言われたことにドキ!


でもこいつらのこうゆう台詞は挨拶みてぇなもんだからな。


イタリア男もびっくり!の褒め上手だ。


さっきまでずっと険しい視線で手持ちの札を睨んでいた戒が勝気に笑って、





「響輔、勝負だ。レイズ。



チップ全額」





戒が口の端でにやりと笑い、響輔はちょっと吐息を吐いて、手元にあるチップを差し出す。


そしてちらりと左隣に座ったあたしを見て


「お嬢、下りてください。俺たちに勝ち目はありません」


(※通常は誰か一人レイズしたあとに下りることはできません)


あたしの手札を見たわけじゃないのに響輔は真剣。


あたしは何が何だか分からず二人を見比べた。


「下りた方が得策やな。それともチップで払えん言うなら体で払てもろてええけど?♪」


にやり、と戒が笑って…


か、体で!!


あたしは慌てて持ち札をテーブルに伏せた。


二人が同時に持ち札を公開して、


響輔の言った通り―――


戒の手札は






スペード一種類で満たされ、その数字は10~A。




「ロイヤルストレートフラッシュだ。



勝負あったな、響輔」






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