。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅲ・*・。。*・。




「あの“円周率野郎”がまだ来てないようだが、致し方ない。


時間だ。



会議をはじめよう」



俺が腕時計に視線を落とすと、一台明かりが灯っていないパソコンに画像が映し出された。


『待たせたな。こいつのせいでまた遅刻するところだったぜ』


と“タチバナ”が姿を現した。


タチバナは俺も知らない男の首を固めながら、首を絞められた男は何事か喚いて手をばたつかせている。


『おらっ!静かにしろっ!!こっちは大事な会議なんだ』


とさらに首を締め上げる。


「会議に同伴者とは、お前相変わらずだな」


場の雰囲気をぶち壊しやがって。さすが自由人。


少し呆れて目を細めると、タチバナは尚も暴れる男の首を


ゴキッ


軽く傾けると男はあっけなく首を項垂れて静かになった。


タチバナはその男を乱暴に放り投げると、


『これで静かに会議ができる♪』


「…おい、その男…」


念のために聞いてみると、


『大丈夫だ、死んではいない♪さっすが俺様♪』


移動中と言う二人の男は驚いたように目をぱちぱち。


『念のために聞くが龍崎はん、その男はもう一匹のネズミ…。あなたの先輩だと伺いましたが?』


「未だに認めたくないがね」


呆れて額に手を当てると、


『俺もお前みたいな可愛げない後輩持ちたくなかったぜ』


ふん、とタチバナは鼻息を吐く。


「お前が俺に絡んできたんだろうが!」


『俺が狙ってたバスケ部のマネージャー。あの女から愛の告白受けてたろ?


理由は充分にある。あの女もお前みたいな暴君選びやがって』


「そりゃお前、俺の方がいいオトコだからに決まってンだろが」


結局、あのときの男バスのマネージャー…声を掛けられて「あ?」と返したら何も言わず逃げていかれたが…


あのときのことはこいつには言えん。


『俺様の方が目立っててお前の何十倍もいいオトコだ』


「黙れ。意味不明野郎」


『あのぉー…龍崎はん?そろそろ会議はじめないと…』


と黒髪の男が聞いてきて、彩芽は口元を押さえながら笑いを堪えている。





鴇田の手前かっこつけたけど、俺たちまとまりねぇな。


こんなんでスネーク討伐の会議なんてできんのか??





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