。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅲ・*・。。*・。


「でも懐かしいわ~あの初々しいカンジ♪


私も小学生のころねー、初恋の彼に話しかけるのに緊張しちゃって」


出たよ、おばちゃんの初恋話。


「再会したんですよね?その後どうなったんですか?」


あたしは千里の方を気にしながらおばちゃんに聞いてみた。


「どうもこうもないわよ~。やっぱり偶然てそう何度も重なるわけじゃないし。


だからおばちゃん偶然を装って彼を待ち伏せしたの」


おばちゃん…!行動派だな!!


あんた旦那も息子も居るってのに。


「あら、だって目の保養よ~♪事務所の場所をなんとなく聞いてたから、その辺りをうろうろしてたらね、


なんと、会えたの!」


あたしはその会えたって言う事実よりも、おばちゃんの行動力にびっくりだよ。


「そうまでして会いたい男ってどんなにイイ男なんだよ」


叔父貴や戒レベルの男なんて早々いないぞ??


おばちゃんの話を話半分に聞いてあたしは千里たちの動向に夢中。


「こうスラっと背が高くて細身でね~キリっとした目が印象的で唇が何とも言えずセクシーで…」


おばちゃんの話は止まらない。


まぁどっちが極道かわかんねぇ極悪顔のおっちゃんを相手にしてるわけだから、そうゆう男を見て目の保養にしたいのも分からんでもないが。


何て言うかあれだ。韓流にはまるおばちゃんみたいなカンジか。


あたしもイ・ビョンホン好きだし。


結局、その女の子と話が弾んでいるのか入りづらい雰囲気に見舞いは諦めることに。


諦めて出入り口に向かう。


「なんかごめんね?」


あたしが申し訳無さそうに新垣 エリナに謝ると


「ううん。一ノ瀬君思ったより元気でよかったね」とまたも優しい発言。


ホントいい子。女の鑑だぜ。


「でもあいつにも春??季節は夏だってのにな~…」


とカラカラ笑っていると、渡り廊下を見覚えのある姿が通っていった。


バッ!



あたしは話しを変な風に切り上げて、窓に張り付いた。


細身のスーツ。両ポケットに手を入れて颯爽と歩くあの姿―――





タイガ―――…!?







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