。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅲ・*・。。*・。
「あたしがやるよ」
あたしは無理やり戒から牛乳のパックを奪って
「おめぇは座ってろ」と椅子を促した。
大人しく座るかと思いきや、鍋の中に牛乳を注ぎ入れてるあたしのすぐ背後に立つ戒。
いつもはこの距離が普通だったのに、最近ではあまりくっついてこない戒を思うと
何だかいつもよりドキドキした。
「何だよ、あたしが毒でも入れると思ってんのか?」
わざと憎まれ口を叩くも
「ちゃう。
お前の傍におりたかったから」
傍に―――……
「へ、変だよね!あたしら付き合ってるわけだし、同じ家にも居るってのに
最近…お前をずっと遠くに感じるよ」
思わず本音を漏らして慌てて口を噤んだ。
戒がどんな顔してどんなことを思ってるのか知りたくて振り返ったけれど、戒はぎこちなく笑っていただけだった。
「な、何か言えよ…」
てか、言って―――
何を抱えてるのか、知りたいんだ。
そんな気持ちで戒の目をじっと見上げていると
戒はふっと視線を逸らした。
「俺、ホットミルクってあんまり好きじゃないんだよね。
冷たいのは好きだけどな」
と一言。
やっぱり……話してもらえないんだね。