君へ、約束の歌を。<実話元>

・・。+゚慟哭




5月6日。



…しとしとと降り続く小雨は、
心まで暗くさせる。



朝から憂鬱な気分で校舎に入った私は、
自分のクラスに向かって廊下を歩いていた。


…纏わり付く、
なんだかいつもと違う雰囲気。


廊下や教室に、
誰一人として先生の姿はなくて。



教室に入ると、
みんながざわざわしていた。



『どうしたの?
これって…何かあったの?』



既に教室にいた未来に聞くと、
未来も首を傾げた。



「さぁ〜…?
なんかよくはわかんないけど、緊急集会があるらしいよ」


『えっ!?なにそれ!
なんか大事じゃない?!』


「だよね…なんなんだろ?」



未来と話してたけど、もちろん私達が話してることで、答えが見つかるわけもない。




…しばらくたって教室に響いた、
硬い声の放送。



「緊急集会を行います。
並んで静かに体育館に集合してください」



ざわざわと、
みんなの話す声は落ち着かない。



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