君へ、約束の歌を。<実話元>



夕べと同じ場所で行われた、告別式。


祐ちゃんとの、

本当に、本当に最後の別れ。



私達は入り口の近くに立っていて、
祐ちゃんが眠ってる棺は、隣の部屋に置かれてる。


私は、その棺をじっと見つめていた。



家族の人達が祐ちゃんの横に花を添えて。


蓋が、そっと閉められた。



家族の人達はみんな泣いてて、
私達も泣いてて。


昨日、もうこれ以上涙は出ないかと思うくらい泣いたのに。


また、止まらなかった。




棺は霊柩車に乗せられるため、
入り口の方へと運ばれる。


葬儀場の人達がゆっくりと棺を運んで、

少しずつ、少しずつ、
こっちに近付いて来る。



…今日は、夕べのような静かなメロディーが流れてた雰囲気とは違って。


祐ちゃんの好きな、


好きだった曲が流れてる。



〜♪〜♪〜♪〜



棺が、家族と共にこっちに来る時に流れていたのは…


ポルノグラフィティの「アゲハ蝶」



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