君へ、約束の歌を。<実話元>
…あの子は今でも、陸上続けてるのかなぁ…?
そんなことを思いながら、私はちょうど来た電車に乗って駅を後にした。
…そんな風に、久しぶりに祐ちゃんと関わりのあった人の姿を見たからかもしれない。
中学校がすごく懐かしく感じたのは。
高校には数人同じ中学だった子がいるけどみんな特に祐ちゃんと仲が良かったわけじゃないから。
なんとなく…寂しかった。
今私は、
誰とも祐ちゃんの話ができないから。
…思い出が、いっぱい、いっぱい詰まった場所が見たくなったんだ。
祐ちゃんのいないグラウンド…
校舎…
一緒に遊びに行った所…
数え上げれば、キリがない。
祐ちゃんの姿がない場所の分だけ、
私は祐ちゃんに
会いたいのかもしれないね…
…最後に自転車を止めたのは、門の前。
最後に姿を見たのは、ここ。