桜花舞うとき、きみを想う


ぼくはポケットにカルミンを忍ばせて、きみに会いに行った。



きみは知らないだろうけど、あのときぼくは、ひどく緊張していた。



きみの前を歩きながら、何ひとつ気の利いたことも言えずにいた。



心臓の音がきみに聞こえやしないかと、気が気じゃなかった。







だってぼくは…―







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